作るとは何か。

この仕事をしていると、「作る」という言葉を不思議に感じます。

元々グラフィック畑の私は、CMの制作に携わってから、特にこの言葉を意識するようになりました。

 

グラフィックは、印刷の行程に入るまでは、一人で制作をする事が出来る分野なので、

「自分が作った」という表現に違和感は感じません。

でもCMは、確実に一人では作れません。

 

監督さん、プロデューサーさん、カメラさん、照明さん、音声さん、メイクさん、衣裳さん、美術さん…

とてつもない数の人が関わって、その内の一人でも欠けると、クオリティがぐーんと下がります。

そんな現場を経験すると、「自分が作った」なんて言葉は恥ずかしくて口に出来ません。

おそらく、CMの現場では、スタッフ全員が「自分たちが作った!」と、

チームとしての作品と捉えていると思います。

グラフィック畑の私には、これがとても不思議で、とても心地良いんです。

単純に、仲間というものに飢えているだけかもしれませんが…。

 

つまり何が言いたいかというと、そういう経験を、またさせて頂いたというお話です。

詳細は言えませんが、「私たちが作った」CMが、近いうちに皆さんの目に触れると思います。

とても楽しい現場で、おそらく映像からもそれが伝わると思います。

見てくださった方に、少しでも笑顔になってもらえたら嬉しい限りです。

 

文:山下洋平